宮崎市の内科、外科、消化器科、リハビリテーション科  <<院長の手作りホームページです>>
〒880-0824 宮崎県宮崎市大島町前田310-1 Tel.0985-25-7722 Fax.0985-25-7754 http://ocean-clinic.com
オーシャンクリニック紹介
地図:下北通線と大島通線の交差点
ご挨拶(院長・看護主任・事務主任)
保険証と診察について患者様へのお願い
各種健康診断、人間ドックの案内
内視鏡、消化器科の病気・診療について院長執筆カラム
リハビリテーション
内科系の病気・診療について院長執筆カラム
外科系の病気・診療について院長執筆カラム
東洋医学(鍼灸・漢方)について院長執筆レクチャー
オーシャンクリニック
HOME内視鏡> 17.過敏性腸症候群
17.過敏性腸症候群
 器質的(=身体的)な病気(大腸がんや潰瘍性大腸炎など)は存在しないのに、機能的な腸管の症状が存在する病気のことを言います。一般的検査では異常所見はみられません。病態についてはいまだ不明な点が多く、ストレスに対する腸管の機能異常が関与しているとされます。
 主な消化器症状は腹痛、腹部不快感、便通異常、残便感などです。「仕事中や会議中に急にお腹が痛くなる」「通勤・通学の電車の中で腹部に不快感を感じて途中下車をしてしまう」「便秘や下痢などの便通異常が慢性化している」などのような症状があると疑います。同時に消化管以外の症状、たとえば背部痛、腰痛、易疲労感、頭重感、めまい、倦怠感、不眠、不安感、抑うつ感などの症状を伴うこともあります。
 強い緊張やストレスを感じる場面で症状が出やすいと言われています。例えば仕事中や会議中、授業中やテスト中、面接中、また出社中や登校中などです。反対に、仕事や学校が休みの日や、通勤・通学中でも帰社・下校時には症状が出にくいということもあります。また、そのため「仮病だろう」「嘘をつくな」「そんなバカなことで悩むな」などと周囲からバッシングされ、社会生活が困難(通勤不能、登校不能、いじめの対象、自殺)になってしまうことも多いです。
 過敏性腸症候群は日本人では多くみられる病気で、 約10%の方が過敏性腸症候群の症状を持っているとも言われています。

過敏性腸症候群(IBS)の診断はRome U基準によります。
Rome U基準
「腹痛または腹部不快感が、過去12か月中の、必ずしも連続ではない12週間以上あり、次の3項目のうち2項目以上の特徴がある。
@排便によって軽快する、および/または、
A排便回数の変化で始まる、および/または、
B便形状(外観)の変化で始まる。」

下痢型
腹痛や腹部不快感をともなう慢性的な下痢
一日に何度もトイレに駆け込む

便秘型
腹痛や腹部不快感をともなう慢性的な便秘
一般的に女性に多く見られる

下痢・便秘交替型
下痢型と便秘型の症状を繰り返す

 IBSは慢性の経過をたどることが多く、完全に治癒にいたることは困難なことが多いです。治療目標は症状を軽減することにより、社会生活に支障がないよう良好なQOLを得ることです。それを「生命予後のよい病気だが症状がすべて消失することは少ないので、症状があっても日常生活に支障がなければよい。数ヶ月は治療を続ける必要がある」などと患者さんによく説明し理解を得ることが大切です。疾病が生活習慣と関連の大きいことを説明し、ストレス、食事、運動、睡眠、服薬などを含めたセルフモニタリングを実施し、改善すべきライフスタイルの歪みがあれば適切に指導・修正します。IBSの治療は生活指導や薬物療法などを含めて多角的に行う必要があります。

■ 生活指導

・ストレスをさける
・趣味などで気分転換をする
・規則正しい生活をおくる
・十分な睡眠・休養をとる
・朝食後の排便習慣の確立
・高脂肪食・刺激物や飲酒の制限
などを指導します。
 特に大事なのはストレスが症状の増悪に深く関与しており、ストレス対処についても指導することが重要です。

■ 食事療法
・下痢型
冷たい飲み物、香辛料、油分の多い食品、発酵食品など、腸粘膜を刺激し下痢を悪化させる食品を避けます。
消化に悪い食品を避けます。

・便秘型
アルコール、香辛料、炭酸飲料、脂肪分の多い食品など、刺激物を避けます。
食物繊維をとります 。
ビタミンB、ビタミンCをとります 。

・下痢・便秘交替型
その時の腸の症状に合わせて食べるものを選びます。

■ 薬物治療
 IBSを根本的に治癒する薬剤は現在なく、対症療法が主となります。腹部症状と便通状態に応じた薬物治療が基本です。あくまで対症療法なので、症状増悪時のみに服用し、緩解期には必ずしも投薬する必要はありません。抗コリン薬、止痢薬、腸運動機能調整薬、線維製剤などを組み合わせて用います。精神症状を伴う場合は向精神薬を併用します。患者の症状および重症度に応じて、下記処方を組み合わせて用います。
1.基本処方
@チアトン⇒カプセル(10mg) 3カプセル
Aポリフル⇒錠(500mg) 3錠
Bセレキノン⇒錠(100mg)3‐6錠 分3
2.便通異常に対して
下痢
@ロペミン⇒カプセル(1mg) 1−2カプセル 分1−2
便秘
@酸化マグネシウム⇒末 0.5−2g 分1−3
Aラキソベロン⇒錠(2.5mg) 3錠 分1 眠前
3.精神症状に対して
不安感
@メイラックス⇒錠(1mg) 1−2錠 分1−2
Aコレミナール⇒錠(4mg) 3錠 分3 食後
抑うつ感
@プロチアデン⇒錠(25mg) 3錠 分3 食後
Aメイラックス⇒錠(2mg)1錠 分1‐2
Bデパス錠(0.5mg)3錠 分3
Cセルシン⇒錠(2mg)3錠 分3
Dドグマチール⇒⇒錠(50mg)3‐6錠 分3

■ 心身医学的治療
 ストレスへの対処法を指導するとともに、心因的要因が強い患者さんは心理療法も用いると有効なので、重症例は心療内科専門医に紹介します。


内視鏡のTOPに戻る


宮崎市の内科、外科、消化器科、リハビリテーション科
〒880-0824 宮崎県宮崎市大島町前田310-1
tel 0985-25-7722 fax 0985-25-7754
http://ocean-clinic.com

クリニック紹介アクセスご挨拶患者様へのお願い健診、人間ドック
内視鏡| リハ診療百談〜内科診療百談〜外科東洋医学サイトマップ
Copyright ©2008 Ocean Clinic All Right Reserved.