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東洋医学27.大腸経

■ 概念〜肺と密接な関係を持ち「津液(しんえき)()む病を主る」経絡
水分=津液は胃を経て小腸・大腸に下降して、大部分が大腸で吸収されて糞便が形成されるため大腸は水代謝に重要な役割を果たしている。さらに『素問・経脈別論』に「飲は胃に入りて、精気を游溢(ゆういつ)し、脾に上輸し、脾気は精を散じ、上って肺に帰し、水道を通節して、下って膀胱に(うつ)し、水精は(よも)()く。」すなわち「飲み込んだ水分=飲=津液は胃で精力に変えられ、脾に送られ、脾の力で精力が体に行き渡る。その精力は上って肺で水分の流れを調節したのち、膀胱経に送られ、水分からのエネルギーは体中にみなぎる」と述べられている。これは津液の生成、転化、輸布に肺が重要な作用を果たすことを述べ、大腸と肺が津液をめぐって密接な関係を持つことを述べている。
大腸経が「津液が生む病を主る」『霊枢』とはこのことをあらわしている。

■ 循行(経絡の流れの道筋)
@示指橈側末端(商陽穴)に起こり、ABC手背を経てDEF上肢橈側を上り肩端に至りG大椎穴を経て前方に向かい缺盆(鎖骨上窩)に進入する。ここで分かれて二本になる。H一本は胸に入り肺を(まと)い、J横隔膜を貫きK大腸に属す。Lもう一本は首を循り、頬を登りM歯中に入り下り、N還って出で、口角を挟み上唇に至り、O反対側の本経と人中で交差し反対の鼻翼の傍ら(迎香穴)に終わる。
【原文】『霊枢・経脈篇』
@大指の次指の端に起こり、A指の上廉を 循り、合谷両骨の間に出で、B上って両筋の中に 入り、C臂の上廉を循り、D肘の外廉に入り、 E(のう)外(上腕骨)前廉に上り、肩に上り、F髃骨(肩峰)の前廉に 出で、G上って柱骨の会上に出で、下って缺盆に 出で、H肺を絡い、J膈を下り、K大腸に属 す. Lその支なる者は、缺盆より、頸に上り、頬を貫き、M下歯中に入り、 N還り出で口を挟み、人中に交わり、O左は右に()き、右は左に之き、上って鼻孔を挟む。

 
■ 症候および主治症
(1)気道・肺に分布することにより上呼吸器道感染症:感冒発熱、頭痛、咳嗽、高熱ひきつけ、混迷。
(2)頚部・顔面下部・口腔・歯牙に分布することより顔面・頚部疾患:頭痛、顔面神経麻痺、顔面痙攣、三叉神経痛、 歯痛、眼疾、咽頭炎、扁桃炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血、耳下腺炎、甲状腺腫大、頚部リンパ節腫大、難聴、耳鳴など。
(3)水代謝に関係したものとしてアレルギー性皮膚病:蕁麻疹、皮膚掻痒症など。
(4)経脈通過部位の疾患:肩痛、肘痛、指・手背痛。

■ 経穴一覧表
経穴名
よみ
取穴法 要穴
出典
01.商陽
しょうよう
示指橈側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る 募穴
『霊枢』本輸
02.二間
じかん
第2中手指節関節の下、橈側陥凹部に取る。(別説)示指を曲げ、近位指節間関節の橈側横紋端に取る。 栄水穴
『霊枢』本輸
03.三間
さんかん
第2中手指節関節の上、橈側陥凹部に取る。(別説)示指を曲げて、中手指節関節にできる横紋端、陥凹部に取る。 兪木穴
『霊枢』本輸
04.合谷
ごうこく
第1・第2中手骨底間の下、陥凹部、第2中手骨よりに取る 原穴、四総穴
「肚腹は三里に止め腰背は委中に求む。頭項は列缺に尋ね面目は合谷に収む。」『徐氏鍼灸大全』『霊枢』本輸
05陽谿
ようけい
手関節後橈側にあり、母指を伸展してできる長・短母指伸筋腱の間の陥凹部に取る。 経火穴
WHO:陽谿(溪)『霊枢』本輸
06.偏歴
へんれき
前腕後橈側にあり、陽谿穴から曲池穴に向かい上3寸に取る。 絡穴
『霊枢』経脈、『霊枢』根結
07.温溜
おんりゅう
前腕後橈側にあり、陽谿穴から曲池穴に向かい上5寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。 郄穴
WHO: 温(日を囚に)溜、(温溜)『甲乙』
08.下廉
げれん
前腕後橈側にあり、曲池穴の下4寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。 『甲乙』
09.上廉
じょうれん
前腕後橈側にあり、曲池穴の下3寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。 『甲乙』
10.手の三里
てのさんり
前腕後橈側にあり、曲池穴の下2寸、長・短橈側手根伸筋の間に取る。 『甲乙』
11.曲池
きょくち
肘を屈曲してできる肘窩横紋の外方で、上腕骨外側上顆の前に取る 合土穴
『霊枢』本輸
12.肘髎
ちゅうりょう
上腕骨外側上顆の上際で、上腕三頭筋外縁の陥凹部に取る。 『甲乙』
13.手の五里
てのごり
曲池穴から肩髃穴に向かい上3寸に取る。 『霊枢』本輸
14.臂臑
ひじゅ
肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間にある。 手太陰経筋、手太陽十五絡、足太陽経筋、足少陽経脈との交会
『霊枢』経脈、『素問』気府論
15.肩髃
けんぐう
肩関節の前方、肩峰と上腕骨頭の間にある。 手太陰経筋、手太陽十五絡、足太陽経筋、足少陽経脈 との交会 『霊枢』経脈、『素問』気府論
16.巨骨
ここつ
鎖骨外端と肩甲棘の間の陥凹部に取る。(注)肩鎖関節の後方陥中に当たる。 『素問』気府論
17.天鼎
てんてい
扶突穴の後下方1寸、胸鎖乳突筋後縁に取る。 『甲乙』、『素問』気府論(王冰注)
18.扶突
ふとつ
喉頭隆起の外方3寸で下顎角の下方1寸に取る。(注)胸鎖乳突筋の前縁筋中に当たる。 『霊枢』本輸
19.禾髎
かりょう
水溝穴の外5分に取る。 『甲乙』
20.迎香
げいこう
鼻孔の外5分、鼻唇溝中に取る 足陽明経脈と交会
『甲乙』、『素問』気府論(王冰注)
■ 主な経穴と主治症
01.商陽穴と少商穴(肺経11)
商陽穴の主治症は難聴、歯痛、咽喉痛、下顎痛、緑内障、手指のしびれ、知覚鈍麻、汗の出ない熱病、精神混迷などである。
商陽穴と少商穴(肺経11)を比較すると両者はともに五兪穴上の井穴で、指の末端にあり、所属する経絡の大腸経と肺経はともに表裏関係にある。このため両穴の主治症も似ているところが多く、外感熱病、頭顔面部感覚器疾患の治療に用いられる。
しかし解熱作用は商陽穴が少商穴よりも勝っている。発熱と同時に咳嗽・喀血など肺陰虧損を兼ねるものは少商穴を取る方がよい。
頭顔面部部感覚器疾患の治療では、少商が咽頭痛、嗄声に主に用いられるのに対して商陽は主に難聴・歯痛に用いられる。
また商陽は緑内障の治療に用いることができるが少商はこれができない。
04.合谷
顔面・口部の疾病の常用穴である。面口は合谷に収む『四総穴歌』とある。
「頸に上り、頬を貫き、下歯中に入り、 還り出で口を挟み、人中に交わり、左は右に之(ゆ)き、右は左に之き、上って鼻孔を挟む」の巡行ルートから「経脈の過ぎるところ主治の及ぶところ」の法則により、すべて合谷で顔面・口部の疾病が治療できる。
05.陽谿、06.偏歴、07.温溜、10.手の三里
陽谿の主治症は手関節の痛み、歯痛、目の充血と痛み、咽喉痛、扁桃炎、前頭痛など。
偏歴の主治症は上肢のだるさ・痛み、目の充血と痛み、耳鳴り、鼻出血、咽喉痛、歯痛、顔面神経麻痺、浮腫など。
温溜の主治症は前頭痛、顔面神経麻痺、咽喉痛、口内炎、腹痛、前腕のだるさ・痛みなど。
手の三里の主治症は上肢麻痺、歯痛、腰背痛、腹痛、耳下腺炎など。
11.曲池、14.臂臑、20.迎香
曲池の主治症は(1)すべての外感発熱、高熱によるけいれん(2)高血圧(3)蕁麻疹・皮膚掻痒症などのアレルギー性皮膚疾患(4)小児麻痺後遺症、脳卒中後遺症(5)急性扁桃炎、耳下腺炎など。
臂臑の主治症は(1)肩・上腕痛、上肢麻痺(2)頚部リンパ節腫大(3)視力低下、近視など。
迎香の主治症は(1)鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血(2)顔面神経麻痺など。



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