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東洋医学28.胃経
[足の陽明胃経]

■ 概念〜「血による疾病を主る」経絡
 胃は水穀の海、精微を化生し、営血を生ず るを主る。これはすなわち「営は中焦に出づ」 の意味するところである。胃の腑に病があれば 営血を生じさせることができない。また陽明は 多気多血の経であり、その経気の盛衰は直接人体全体 の血の盛衰に影響する。このため本経は 「血による疾病を主る」とされるのである。

■ 循行(経絡の流れの道筋)
 鼻翼傍辺に起こり、鼻根 を上行し、再び鼻外を下行し、上歯の中に入り、 還って出で口を挟み、下って承漿に交わり、折 れて走り腮(頬部前下方)の後下縁を循り、頬 車穴を経て耳前に上り、髪際に沿い、前額に到 る。支脈の一は、大迎の前より下って入迎に達 し、喉嚨(喉頭と気管)に沿い、訣盆に入り、 胃に属し、脾を絡い、腹裏を循り、気衝に至る。  その直脈は、訣盆より、乳頭を経て、臍傍を 挟み、下って小腹の気衝に達し、前の脈と相合 する。会合後、再びこれより下行し髀関に至り、 下肢の外側前縁に沿い、膝を経て、踝を過り直 ちに第二趾の外側端に至る。
 支脈の二は、膝下三寸足の三里穴の処より分 出し、下行して進み、中趾外側端に入る。
 支脈の三は、足背の衝陽穴より分出し、斜め に走って母趾内側端に至り、足の太陰脾経に交 わる。

【原文】『霊枢・経脈篇』
 @鼻に起こり、頞中()に交り、旁太陽の脈に納り下 って鼻外を循り、A上歯の中に入り、還り出でロ を挾み唇を環り、下って承漿に交わり、B却きて 頤の後の下廉を循り、大迎に出で、頬車を循り、C 耳前に上り客主人を過り、髪際を循り、額顱に至る. Dその支なる者は、大迎の前より人迎に下り、喉 嚨を循り訣盆に入り、E隔に下り胃に属し脾に絡 う.Fその直なる者は、缺盆より乳の内廉を下り、 G下りて臍を挾み、気街の中に入る.Hその支 なる者は胃ロに起こり、下って腹裏を循り、下って 気街中に至り合す. I以って髀関を下り、J伏 兎に抵り、K膝髕の中に下り、L下って脛の外 廉を循り、M足謖に下り、N中趾の内聞に入る. Oその支なる者は、下廉三寸にして別れ下り、中 趾外間に入る. Pその支なる者は、謖上に別れ、 大趾の間に入り、その端に出づ.

■ 経絡症候および主治症
(1)消化器系疾患:胃痛、腹痛、嘔吐泄潟、腸 鳴、細菌性下痢、胃下垂、虫垂炎、腸麻庫、栄 養不良性水腫、肝炎、神経性胃腸障害など。
(2)頭部顔面感覚器疾患:頭痛、眼痛、歯痛、 顔面神経麻庫、顔筋痙攣、三叉神経痛、甲状腺 腫大、耳下腺炎など。
(3)経脈通過部位の疾患:胸痛、下肢痛、膝関 節腫痛、下肢筋萎縮・麻痺・無力、片麻痺、小 児麻痺後遺症など。
(4)その他:脚気、横隔膜痙攣、乳腺炎、高血 圧、神経衰弱、身体虚弱など。

■ 経穴概要
@経穴数:45
A気 血:多気多血
B走 行:頭から足に走る
C時 刻:午前7〜9時(辰時)
D起始穴:承泣
E終始穴:児[
F絡 穴:豊隆
G郄 穴:梁丘
H五兪穴:(a)井穴:児[
       (b)榮穴:内庭
       (c)兪穴:陥谷
       (d)原穴:衝陽
       (e)経穴:解谿
       (f)合穴:足の三里
I肺兪穴:胃兪
J募 穴:中脘

■ 経穴一覧表
経穴名
よみ
取穴法 ★要穴
出典
ST01.承泣
しょうきゅう
瞳孔の下7分、眼窩下縁の中央、正視させて取る。 任脈が交会 『甲乙』
ST02.四白
しはく
瞳孔の下1寸、眼窩下縁の中央、正視させて取る。 『甲乙』
ST03.巨髎
こりょう
鼻孔の外8分、瞳孔線上に取る。 『甲乙』
ST04.地倉
ちそう
口角の外4分に取る。 『甲乙』
ST05.大迎
だいげい
下顎角の前1寸3分の陥凹部、動脈拍動部に取る。 足少陽経脈と交会。 『素問』気穴論、『素問』気府論
ST06.頬車
きょうしゃ
耳垂下端と下顎角の間の陥凹部に取る。 足少陽経脈と交会。 『霊枢』経脈、『素問』気府論
ST07.下関
げかん
頬骨弓中央の下際陥凹部に取る。 WHO: 下關(関) 『霊枢』本輸、『素問』気府論(王冰注)
ST08.頭維
ずい
額角髮際にあり、神庭穴の外4寸5分に取る。 『甲乙』
ST09.人迎
じんげい
喉頭隆起の外方1寸5分、動脈拍動部に取る。 『霊枢』本輸、『素問』気府論
ST10.水突
すいとつ
人迎穴と気舎穴の中央に取る。 『甲乙』
ST11.気舎
きしゃ
小鎖骨上窩中央に取る。 WHO: 氣(気)舍(舎) 『甲乙』
ST12.缺盆
けつぼん
大鎖骨上窩にあり、鎖骨上際陥凹部、乳頭線上に取る。 手太陰経筋・経別、手陽明経脈・経別、足太陽経筋、手少陽経脈・経別、足少陽経脈・経別・経筋、任脈が交会。 『霊枢』経脈、『素問』刺禁論(王冰注)
ST13.気戸
きこ
鎖骨下際にあり、前正中線の外4寸、乳頭線上に取る。 WHO: 氣(気)戸 『甲乙』
ST14.庫房
こぼう
第2肋骨上際にあり、乳頭線上に取る。 『甲乙』
ST15.屋翳
おくえい
第2肋間にあり、乳頭線上に取る。 『甲乙』
ST16.膺窓
ようそう
第3肋間にあり、乳頭線上に取る。 WHO: 膺窗(窓) 『甲乙』
ST17.乳中
にゅうちゅう
乳頭の中央で、第4肋間に取る。 WHO: 乳(孚とする)中、乳中 『甲乙』
ST18.乳根
にゅうこん
第5肋間にあり、乳頭線上に取る。 WHO: 乳(孚とする)根、乳根 『甲乙』
ST19.不容
ふよう
天枢穴の上6寸、巨闕穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST20.承満
しょうまん
天枢穴の上5寸、上脘穴の外2寸に取る。 WHO: 承滿(満) 『甲乙』
ST21.梁門
りょうもん
天枢穴の上4寸、中脘穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST22.関門
かんもん
天枢穴の上3寸、建里穴の外2寸に取る。 WHO: 關(関)門 『甲乙』
ST23.太乙
たいいつ
天枢穴の上2寸、下脘穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST24.滑肉門
かつにくもん
天枢穴の上1寸、水分穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST25.天枢
てんすう
臍の外2寸に取る。 ★募穴 WHO: 天樞(枢) 『霊枢』骨度
ST26.外陵
がいりょう
天枢穴の下1寸、陰交穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST27.大巨
だいこ
天枢穴の下2寸、石門穴の外2寸に取る。 『甲乙』
ST28.水道
すいどう
天枢穴の下4寸、中極穴の外2寸に取る。 WHO:歸(帰)來(来) 『甲乙』
ST29.帰来
きらい
天枢穴の下4寸、中極穴の外2寸に取る。 WHO:歸(帰)來(来) 『甲乙』
ST30.気衝
きしょう
天枢穴の下5寸、曲骨穴の外2寸に取る。 WHO: 氣(気)衝、足少陽経脈と交会。 『霊枢』経脈(氣街)、『甲乙』
ST31.髀関
ひかん
上前腸骨棘の下方、縫工筋と大腿筋膜張筋の間、陥凹部に取る。 WHO: 髀關(関) 『霊枢』経脈、『素問』気府論
ST32.伏兎
ふくと
大腿部の前外側にあり、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かい上6寸に取る。 『霊枢』経脈、『霊枢』寒熱
ST33.陰市
いんし
大腿部の前外側にあり、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かい上3寸に取る。 『甲乙』
ST34.梁丘
りょうきゅう
大腿部の前外側にあり、膝蓋骨外上角から髀関穴に向かい上2寸に取る。 ★郄穴 『甲乙』
ST35.犢鼻
とくび
膝蓋骨下縁と脛骨上縁との中間で膝蓋靱帯中に取る。 『霊枢』本輸、『素問』気府論
ST36.脚の三里
あしのさんり
膝を立て、外膝眼穴の下3寸に取る。(便法)膝を立て、脛骨の前縁を擦上して指の止まるところの外方陥凹部に取る。 ★合土穴、四総穴 「肚腹は三里に止め腰背は委中に求む。頭項は列缺に尋ね面目は合谷に収む」 『霊枢』本輸
ST37.上巨虚
じょうこきょ
膝を立て、足三里から解谿穴に向かい下3寸に取る。 「上巨虚」名は、『千金翼方』より 『霊枢』本輸(巨虚上廉)
ST38.条口
じょうこう
足三里から解谿穴に向かい下5寸に取る。 WHO: 條(条)口 『甲乙』
ST39.下巨虚
げこきょ
足三里から解谿穴に向かい下6寸に取る。 『霊枢』本輸(巨虚下廉)、『素問』針解篇(巨虚下廉)
ST40.豊隆
ほうりゅう
外果の上8寸、条口穴の外方に一筋へだてた陥凹部に取る。 ★絡穴 WHO: 豐(豊)隆 『霊枢』経脈、『霊枢』根結
ST41.解谿
かいけい
足関節前面中央、前脛骨筋腱の外側陥凹部に取る。 ★経火穴 WHO: 解谿(溪) 『霊枢』本輸
ST42.衝陽
しょうよう
足背にあり、第2・第3中足骨底間の前、陥凹部に取る。 ★原穴 『霊枢』本輸、『霊枢』根結
ST43.陥谷
かんこく
足背にあり、第2中足指節関節の後、外側陥凹部に取る。 ★兪木穴 WHO: 陷(陥)谷 『霊枢』本輸
ST44.内庭
ないてい
足背にあり、第2中足指節関節の前、外側陥凹部に取る。 ★栄水穴 『霊枢』本輸
ST45.児[
れいだ
足の第2指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 ★井金穴 『霊枢』本輸
■ 主な経穴とその主治症
承泣、四白、地倉、頭維
 承泣の主治症は目の充血、腫痛・白内障・ 口眼歪斜・眼瞼痙攣・頭痛・緑内障・視神経萎 縮・近視・色盲などの目の疾患。
 四白の主治症は目の充血・痛み・かゆみ、白内障、口眼歪斜、眼瞼 痙攣、頭痛、めまい、三叉神経痛、顔筋痙攣など。
 地倉の主治症は口角歪斜、流涎、三叉神経痛など。
 頭維の主治症は頭痛、目痛、視力低下、迎風流涙(風 にあたると涙が出る)、顔瞼痙攣等。

頬車と下関
 二穴とも歯痛・三叉神経痛・顔面神 経麻痺等の治療に使われる。三叉神経痛の治療 では、下関が頬車より優れており、主穴として 用いられる。歯痛の時は下関は主に上歯痛に用 いられる。顔面神経麻庫の治療の際は逆に頬車 の方が下関よりもよく使われ、歯痛の治療にお いては上歯痛でも下歯痛でも頬車が常用されて いる。そのほか、頬車は耳下腺炎の治療にも用 いられるし、下関は中耳炎、耳鳴り・難聴、下 顎関節炎の治療にも使われる。

人迎穴
 主に咽喉腫痛、甲状 腺腫大、頚部リンパ節結核、高血圧、無脈症、 低血圧、喘息、心悸、しゃっくりなどの治療に使 われる。
 本穴への刺針に際しては、栂指で軽く頚動脈 を外方へ推し開くように按じ、針先を爪甲の辺 縁に沿わせてゆっくりと捻針にて刺人する。刺 人後は提挿を控え目にし、斜めに乱刺して頚動 脈を傷つけないよう注意する必要がある。この 経穴に関しては以上のほか、深さにも注意しな ければならない。患者の肥痩の程度にもよるが、 0.8寸を超えないようにする。またこの穴の付近 には交感神経幹・迷走神経幹・総頚動脈等重要 な組織があるうえ、本穴は比較的敏感な所なの で、不用意な操作をすれば暈針(刺針によるシ ョック)・大動脈出血、甚だしきは血圧降下、心 臓の跳動ないしは突然停止を生ずる危険がある。 そのため、この部への刺針の時は、できるだけ 臥位をとるようにして、慎重に行うことが大切 である。

梁門、天枢、水道、帰来
 これら四六はいずれも消化器系疾患 の治療に用いられる。そのうち梁門は主に胃の 疾患を治療し、胃痛、嘔吐、腹脹、食欲不振、 胃下垂、また乳痛等の治療に使われる。天枢は 腸病の治療が主となり、腹脹、腸鳴、下痢、腹 痛、細菌性下痢、便秘また月経不順、子宮下垂、 子宮筋腫、生理痛等の治療に用いられる。水道、 帰来は主として下腹部疾患たとえば下腹部脹痛、 生理不順、生理痛、不妊症、子宮下垂等の治療 に使う。このうち帰来は閉経、疝気痛、 陰茎睾丸痙縮などの治療にも用いられる。

髀関、伏兎、梁丘、犢鼻
 これら四穴は、下肢 萎縮・麻庫等の病症に使われる。そのうち、 髀関は大腿上部の病変の治療を主とし、伏兎は大 腿中部の病変並びに疝気痛、梁丘は大腿下部の 病変を主として、更に膝関節痛・屈伸不全・胃 病の治療に用いられる。犢鼻は専ら膝関節腫痛・ 屈伸不全及び脚気の治療に用いられる。

足の三里
 主治症は(1)消化器系 潰瘍、胃下垂、子宮下垂(2)急・慢性胃腸炎に よる腹痛、下痢、細菌性下痢、虫垂炎、消化不 良、腸麻庫、栄養不良性水腫(3)高血圧、脳卒 中後遺症、半身不随、小児麻痺後遺症(4)神経 衰弱、体質虚弱、貧血(5)乳腺炎、生理痛、生 理不順(6)精神分裂症、癲癇、ヒステリー症な ど(7)強壮穴として保健予防・健康増進の要穴 でもある。

上巨虚、条口、豊隆
 この三穴は下肢の萎縮・麻葎およ び胃腸疾患の腹脹、腹痛、下痢、便秘などの治療 に使われる。但し消化器系疾患の治療において は、上巨虚が最も優れ、次いで豊隆、条口の順 となる。上巨虚は腸痛を治療する上での要穴で あり、条口は肩関節周囲炎、肩関節腫痛、上腕 挙上困難の治療をも兼ねる。豊隆穴は化痰の力 が比較的強く、痰濁による眩暈、頭痛、咳楸、 癲癇に対して特に適している。

解谿、陥谷、内庭、児[
 この四つの穴はみな足部、足関節、 足趾の病変および消化器系疾患、例えば腹脹、 腸鳴、下痢、腹痛、細菌性下痢、便秘など、そ れに陽明経の実熱による各種病症、例えば高熱、 歯痛、三叉神経痛、癲狂、鼻出血などの治療に用 いられる。この中で、解谿は足関節疼痛・運動 障害、下垂足、また瘧疾、癲狂、癲癇、頭痛、 眩暈をも治療できる。内庭は陽明の実熱を潟す 力が他の経穴より強い。また吐血、鼻出血、し ゃっくり、嘔吐、食思不振などの症状にも用い られる。児[穴は多種の夢症にも応用できる。







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