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HOME東洋医学> 32.膀胱経
東洋医学32.膀胱経
[足の太陽膀胱経]

■ 概念〜「筋による疾病を主る」経絡
『陽気なるもの、精則ち神を養い、柔則ち筋を養う』という。陽気が化生した精微は内には神を養い、外には筋を柔らかくする。膀胱経は水に属し水が()けると筋は潤いを失い病変が発生する。さらに膀胱経は陽経の中でも巨陽とされ人体の陽気が正常・旺盛であることに深く関わっている。
膀胱経が「筋による疾病を主る」『霊枢』とはこのことをあらわしている。

■ 循行(経絡の流れの道筋)
目の内眺に起こり、額を 上り頭頂に至る。支脈の一つが頭頂から耳の上 角のこめかみの部に行き到る。その直行の脈は、 頭頂より入り脳を絡し、項に出で肩を循り、背 を挟み、腰にいたり、体内に進入し、腎を絡し膀 胱に属す。その後、腰中より脊を挟んで下行し 殿部を貫き、膝窩に進入する。別の縦に行く分 支は肩甲骨より脊を挟み、殿部の外側を経て下 腿を行く。膝窩中に至って前の縦行する分支と 相交わる。交会後下に向かい下腿後側の内部を 通過し、外踝の後ろに出て後、足の外側に沿い 小趾外側端に行き至り、足の少陰腎経に交わる。
【原文】『霊枢・経脈篇』
@目の内眦に起こり、A額を上って頭 頂に交わる。Bその支なる者は、頭頂より耳の上 角に至る。Cその直なる者は、頭頂より入りて脳を 絡しD還りて出で別れて項を下り、E肩 甲骨の内を循り、脊を挾み腰中に抵り、F入り て椎骨両側の背筋を循り、腎を絡し膀胱に属 す。Gその支なる者は、腰中より下って脊を挟み、 殿部を貫き、膝窩に入る. Hその 支なる者は肘内より左右に別れ下って肩甲部 を貫き、I脊の内を挟み、大腿大転子の部 位を過り、J大腿外を循り、後廉より下 ってかく中に合し、K以って下ってふくらは ぎを貫き、L外課の後に出で、M京 骨を循り、N小趾の外側に至る。
■ 経絡症候および主治症
(1)経脈通過部位の疾病:頭痛、眼痛、項背痛、 腰痛、下肢麻庫、半身不随、坐骨神経痛、風湿 性(リウマチなど)関節炎、小児麻庫後遺症など
(2)背部兪穴それぞれの相応する臓器の疾病:
@呼吸器系疾患:感冒、気管支炎、気管支喘息、 肺結核、肺炎など
A心血管系疾患:頻脈、不整脈、狭心症など
B消化器系疾患:胃炎、腸炎、細菌性下痢、消 化不良、消化管潰瘍、胃下垂、肝炎、胆嚢炎、 胆嚢結石など
C泌尿生殖器系疾患:インポテンツ、遺精、遺 尿、月経不順、生理痛、閉経、帯下、骨盤炎、 腎炎、腎泌尿器結石、胎位異常、難産など
(3)その他:痔疾、脱肛、神経衰弱、癩狂(精 神病)、ヒステリーなど

■ 経穴概要
@経穴数:67
A気 血:多血少気
B走 行:頭から足に走る
C時 刻:午後3〜5時(申時)
D起始穴:BL01.睛明
E終止穴:BL67.至陰
F絡 穴:BL58.飛陽
G郄 穴:BL63.金門
H五兪穴:(a)井穴:BL67.至陰
       (b)榮穴:BL66.足の通谷
       (c)兪穴:BL65.束骨
       (d)原穴:BL64.京骨
       (e)経穴:BL60.崑崙
       (f)合穴:BL40.委中
I肺兪穴:BL28.膀胱兪
J募 穴:CV03.中極

■ 経穴一覧表
経穴名
よみ
取穴法 ★要穴
出典
BL01.睛明
せいめい
内眼角の内1分、鼻根との間に取る。 『甲乙』 手少陰経別・ 手太陽経脈・ 足少陽経脈が交会。
BL02.攅竹
さんちく
眉毛の内端陥凹部に取る。 『甲乙』
BL03.眉衝
びしょう
攅竹の直上、前頭部の髪の生え際から0.5寸の所、神庭と曲差の間に取る。 『脈経』
BL04.曲差
きょくさ
神庭穴と頭維穴を結ぶ線上で、神庭穴の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL05.五処
ごしょ
曲差穴の後5分、上星穴の外1寸5分に取る。 『甲乙経』WHO: 五處(処)
BL06.承光
しょうこう
曲差穴の後2寸、五処穴の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL07.通天
つうてん
曲差穴の後3寸5分、承光穴の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL08.絡却
らっきゃく
曲差穴の後5寸、通天穴の外1寸5分に取る。 『甲乙』 WHO: 絡卻(却)
BL09.玉枕
ぎょくちん
絡却穴の後、脳戸穴の外1寸3分に取る。 『甲乙』
BL10.天柱
てんちゅう
郄門穴の外1寸3分に取る。 『霊枢』本輸
BL11.大杼
だいじょ
第1・第2胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 ★骨会
『霊枢』海論 手太陽経脈、経筋 足少陽経脈が交会。
BL12.風門
ふうもん
第2・第3胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL13.肺兪
はいゆ
第3・第4胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 ★肺の兪穴
『霊枢』背兪 (月+兪)
BL14.厥陰兪
けついんゆ
第4・第5胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 ★心包の背兪穴
『備急千金要方』  『鍼灸大成』
BL15.心兪
しんゆ
第5・第6胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『霊枢』背兪
BL16.督兪
とくゆ
第七胸椎棘状突起の外側1.5寸に取る。 『聖恵』
BL17.膈兪
かくゆ
第7・第8胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 ★血会
『霊枢』背兪
BL18.肝兪
かんゆ
第9・第10胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『霊枢』背兪
BL19.胆兪
たんゆ
第10・第11胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『素問』奇病論 WHO: 膽(胆)兪
BL20.脾兪
ひゆ
第11・第12胸椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『霊枢』背兪
BL21.胃兪
いゆ
第12胸椎・第1腰椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL22.三焦兪
さんしょうゆ
第1・第2腰椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL23.腎兪
じんゆ
第2・第3腰椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『霊枢』背兪
BL24.氣海兪
きかいゆ
第3・第4腰椎棘突起間の外1寸5分 『聖恵』
BL25.大腸兪
だいちょうゆ
第4・第5腰椎棘突起間の外1寸5分に取る。 『甲乙』 足少陽経脈が交会。
BL26.關元兪
かんげんゆ
第5腰椎棘突起と正中仙骨稜第1仙椎棘突起間(上仙穴)の外1寸5分 『聖恵』
BL27.小腸兪
しょうちょうゆ
正中仙骨陵第1仙椎棘突起部の下外1寸5分に取る。 『甲乙』 足少陽経脈が交会。
BL28.膀胱兪
ぼうこうゆ
正中仙骨陵第2仙椎棘突起部の下外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL29.中膂兪
ちゅうりょゆ
正中仙骨陵第3仙椎棘突起部の下外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL30.白環兪
はっかんゆ
正中仙骨陵第4仙椎棘突起部の下外1寸5分、仙骨裂の外1寸5分に取る。 『甲乙』
BL31.上髎
じょうりょう
第1後仙骨孔部に取る。 足少陽経脈が交会。
BL32.次髎
じりょう
第2後仙骨孔部に取る。 『素問』骨空論
BL33.中髎
ちゅうりょう
第3後仙骨孔部に取る。 『素問』骨空論 足少陽経脈が交会。
BL34.下髎
げりょう
第4後仙骨孔部に取る。 『素問』骨空論
BL35.会陽
えよう
尾骨下端の外5分に取る。 『甲乙』 WHO: 會(会)陽
BL36.承扶
しょうふ
殿溝の中央に取る。 『甲乙』
BL37.殷門
いんもん
後大腿部のほぼ中央、承扶穴委中穴を結ぶ線のほぼ中央に取る。 『甲乙』
BL38.浮郄
ふげき
委陽穴の上1寸、大腿二頭筋の内縁に取る。 『甲乙』
BL40.委中
いちゅう
膝窩横紋の中央に取る。 ★合土穴、四総穴
『霊枢』本輸 「肚腹は三里に止め 腰背は委中に求む  頭項は列缺に尋ね  面目は合谷に収む」
BL41.附分
ふぶん
第2・第3胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』
BL42.魄戸
はっこ
第3・第4胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』
BL43.膏肓
こうこう
第4・第5胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『霊枢』九針十二原
BL44.神堂
しんどう
第5・第6胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』 WHO: ~(神)堂
BL45.
いき
第6・第7胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『素問』骨空論
BL46.膈関
かっかん
第7・第8胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』WHO: 膈關(関)
BL47.魂門
こんもん
第9・第10胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』
BL48.陽綱
ようこう
第10・第11胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』
BL49.意舎
いしゃ
第11・第12胸椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』 WHO: 意舍(舎)
BL52.志室
ししつ
第2・第3腰椎棘突起間の外3寸に取る。 『甲乙』
BL53.胞肓
ほうこう
正中仙骨陵第2仙椎棘突起部の下外3寸に取る。 『甲乙』
BL54.秩辺
ちっぺん
正中仙骨陵第3仙椎棘突起部の下外3寸に取る。 『甲乙』 WHO: 秩邊(辺)
BL55.合陽
ごうよう
委中穴の直下3寸に取る。 『甲乙』
BL56.承筋
しょうきん
委中穴の下、腓腹筋の最もふくらんだところで、内側頭と外側頭の筋溝に取る。(委中穴の下、ほぼ5寸に当たる。) 『甲乙』
BL57.承山
しょうざん
委中穴の下、腓腹筋内側頭と外側頭の筋溝下端に取る。(委中穴の下、ほぼ8寸に当たる。) 『甲乙』
BL58.飛陽
ひよう
崑崙穴の上7寸、腓腹筋下垂部の外縁、腓腹筋とヒラメ筋との間に取る。 ★絡穴
『霊枢』根結 WHO: 飛揚(陽)
BL59.附陽
ふよう
崑崙穴の上3寸で、アキレス腱の前に取る。 『霊枢』本輸
BL60.崑崙
こんろん
外果の最も尖ったところの高さで、外果とアキレス腱の間、陥凹部に取る。 ★経火穴
『霊枢』本輸 WHO:崑(昆)崙(侖)。日本経穴委員会は「昆侖」 。
BL61.僕参
ぼくしん
崑崙穴の直下、踵骨外側面の陥凹部に取る。 『甲乙』 WHO: 僕參(参)
BL62.申脈
しんみゃく
外果の直下5分に取る。 『甲乙』
BL63.金門
きんもん
申脈穴の前下方、踵立方関節の外側陥凹部に取る。 ★郄穴
『甲乙』
BL64.京骨
けいこつ
第5中足骨粗面の後下際、表裏の肌目陥凹部に取る。 ★原穴
『霊枢』本輸
BL65.束骨
そっこつ
第5中足指節関節の後、外側陥凹部に取る。 ★兪木穴
『霊枢』本輸
BL66.足の通谷
あしのつうこく
第5中足指節関節の前、外側陥凹部に取る。 ★榮水穴
『霊枢』本輸
BL67.至陰
しいん
足の第5指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 ★井金穴
『霊枢』本輸
■ 主な経穴とその主治症
BL01.睛明とBL02.攅竹
 睛明の主治症は
(1)急性結膜炎、流行吐結膜炎、 麦粒腫など、目の発赤腫痛、迎風流涙(風にあ たると涙が出る)
(2)視神経萎縮、網膜炎、緑内 障、近視、斜視、乱視、色盲、夜盲症など。
 晴明への刺針は直刺で行い、施術者は押し手 の拇指または示指で眼球を軽く外方へ押し出す ようにしながら右手で針をゆっくり刺入する。 深さは0.2〜1寸までの間にとどめる。抜針後は 脱脂綿で圧迫して出血を防ぐ。禁灸穴である。
 臨床上は攅竹、睛明ともに各種眼疾患に使われる。た だし、攅竹は目の発赤腫痛、迎風流涙、眼瞼せつ 腫、麦粒腫などの外眼疾患の治療に用いられ、ま た眼窩痛、前頭痛、顔面神経麻蝉による目の歪 斜、閉目不全、眼瞼痙攣、額紋消失および三叉 神経痛の第一枝痛、鼻炎、副鼻腔炎などの治療に 用いられる。睛明の方は外眼疾患のみでなく視 神経萎縮、近視、遠視、斜視、夜盲症、色盲、 中心性網膜炎などの内眼疾患の治療にも用いられ ている。

BL10.天柱
 主に頭痛、項背痛、寝違い、鼻づまり、目の 発赤腫痛及び咽喉腫痛の治療に用いられる。

BL11.大抒、 BL12.風門、 BL13.肺兪
 これら三穴の位 置は接近しており、背部にあって肺に近いこと から、臨床上この三穴はともに肩背痛と咳嗽・ 喘息などの治療に用いられている。そのう ち肩背部痛の治療には大抒が最も優れており、 風門、肺兪がこれに次ぐ。咳嗽、喘息への療効 は肺兪が最もよく、風門、大抒がこれに次ぐ。 しかし発熱悪寒があれば、風門が最もよく、肺 兪がこれに次ぎ、続いて大抒となる。
 そのほか、大抒穴は八会穴の一つ、骨会とな っている。骨折癒着遅延、骨痛等の骨に関係す る疾病の治療に用いられる。肺兪は肺の背兪穴 なので肺と関係する疾患に使われる。例えば、 肺結核、肺炎、喀血等に対し比較的良好な療効 がある。また風門は風邪の出入する門戸とされ、 肺は皮毛をよるということから、肺兪と風門の 二穴は蕁麻疹、湿疹、神経性皮膚炎などの皮膚病 にも一定の効果がある。

BL14.厥陰兪とBL15.心兪
 厥陰兪と心兪はそれぞれ心包と心の背兪穴で あり、臨床上この二つの穴はともに心血管およ び精神神経疾患の治療に用いられる。例えば各 種の心臓病による心悸、心煩、心痛それに癩狂、 癲癇、ヒステリー症、痴呆などである。 心兪は厥陰兪より多く使われるが、両者は 組み合わせたり交替して用いられるのが常であ る。

BL17.膈兪
 横隔膜に相当する部位にあり、八会 穴の一つ、血会である。その主治症には次のも のがある。
(1)横隔膜痙攣、横隔膜神経過敏によるしゃっ くり、悪心、嘔吐。
(2)血液と関連する疾患、例えば貧血、瘀血性 疾患、出血性疾患また血熱、血燥による皮膚病 たとえば蕁麻疹、神経性皮膚炎、乾癬などである。
(3)その他祛風作用のある経穴と組み合わせて、 風湿痹痛を治療する。これは「風を治するに先 ず血を治す、血行けば風自ずと滅す」の効によ
るものである。

BL18.肝兪と BL19.胆兪
 肝兪と胆兪の位置は接近しており、また胆腑 は肝臓の内に蔵され肝臓と表裏の関係にあるの で、臨床上、この両穴はいずれも肝胆の疾患を 治療することができる。例えば、急・慢性肝炎、 胆嚢炎、胆道炎、胆道回虫症などである。更に肝 胆と関連のある疾患に対しても有効である。例 えば高血圧症、眩暈、肋間神経痛、眼疾患等で ある。
 両穴には異なったところもあり、肝兪は肝疾 患の治療、特に慢性肝疾患に適当であり、胆兪 は胆の疾病特に慢性の胆疾患の治療に優れてい る。眼疾患に対しては、肝兪は夜盲症、白内障、 網膜症、視神経萎縮、近視、遠視など内眼疾患の 治療が主となり、胆兪は目の発赤腫痛・迎風流 涙など外眼疾患の治療に適している。このほか、 肝兪は高血圧による眩暈および癩狂、癲癇、ヒ ステリー症などの精神疾患に対し、胆兪より治療 効果がよく、胆兪は胆道回虫症や結核性の潮熱 の治療には肝兪に較べ治効が優れている。

BL20.脾兪と BL21.胃兪
 この両穴は互いに接近しており、内に脾胃に 応じ、表裏の関係にあることから、いずれも消 化器系の疾病、例えば胃・十二指腸潰瘍、急・ 慢性胃炎、胃痛、嘔吐、胃下垂、腹痛、腸鳴、 下痢、消化不良などに用いられる。また急・慢性 肝炎、胆嚢炎などの肝胆の疾患にも使うことが できる。
 しかし両穴には異なったところもある。脾兪 は多く慢性の消化器系疾患に用いられ、胃兪は 多く急性消化器系疾患に用いられる。

BL23.腎兪、 BL24.氣海兪、 BL25.大腸兪
 臨床上はこれら三つの穴はみな腰痛の治療に 使われる。腰痛の部位にもいろいろあり、これ らの穴位に圧痛があれば、そこで治療効果は高 まる。このうち、腎兪と氣海兪は遺精・インポテ ンツ等の生殖器系疾患の治療に応用できる。腎 兪は一切の腎虚症状を治療することができる。
例えば遺尿、耳鳴り、難聴、水腫、下痢、生理 不順、帯下、生理痛、崩漏、不妊症、習慣性流 産などである。大腸兪は坐骨神経痛の治療に効果 があり、急・慢性腸炎、便秘、脱肛、痔疾、細 菌性下痢等にも用いられる。

BL22.三焦兪と BL28.膀胱兪
 臨床上はこれら二穴はともに小便不利、水腫、 遺尿等の症状の治療に用いられる。三焦兪は腹 脹、腸鳴、泄瀉、細菌性下痢、腎炎などの治療に も使われ、膀胱兪は便秘、腰仙痛、坐骨神経痛、 月経不順などにも用いられる。

八髎穴
BL31.上髎、BL32.次髎、BL33.中髎、BL34.下髎の四 つの穴を指し左右あわせて八穴となる。
 臨床上は、これら八髎穴は主に腰仙痛、坐骨 神経痛、下肢麻庫、月経不順、生理痛、帯下、 不妊症、排尿困難、遺尿、下血、痔疾、疝痛、 外陰部掻痒症、遺精、子宮下垂等の病症に用い られ、なかでも次髎が最もよく用いられる。

BL43.膏肓
 主治症は次の通りである。
(1)呼吸器系疾患、例えば肺結核、肺炎、気管支炎、 咳嗽、喘息、胸痛、喀血など
(2)神経衰弱、不眠、健忘、遺精、盗汗など
(3)消化器系疾患、例えば脾胃虚弱、消化不良・胃痛など
(4)瘧疾、特に悪性の瘧疾にもっともよい、また肺腫瘍の治 療にも用いられ、扶正祛邪の効果がある。
(5)肺や胃などの五臓六肺の機能を強めて保健予防 に益する。

BL54.秩辺
 主治症は
(1)坐骨神経痛、腰仙痛、下肢麻痺
(2)排尿困難、痔疾、前立腺炎などである。

BL36.承扶、 BL40.委中、 BL57.承山
 臨床上はこの三穴はすべて坐骨神経痛の治療 の常用穴となり、また各種の原因による下肢麻 庫と腰痛および便秘・痔疾などにも用いられる。
 そのうち、委中は膝関節腫痛、熱痛、日射病に よる高熱、ひきつけ痙攣および嘔吐下痢、痙攣、 丹毒、蕁麻疹を治療することができ、承山は下 腿痙攣、脚気にも用いられる。

BL62.申脈と BL63.金門
 二穴はともに足関節、大腿部の痛み、ある いは癩狂、癲癇、ヒステリー症などの治療に用い られる。このうち申脈穴のほうは頭痛、眩暈に も使われ、癲癇の治療には金門よりも優れてい る。特に昼間発作の癲癇に常用され、また内反 足、外感発熱、目がかすむ、鼻出血、耳鳴、心 悸などにも用いられる。金門穴は小児驚風、疝痛、 ひきつけ痙攣なども治療できる。

BL62.申脈と小腸経の後谿穴
 BL62.申脈 は八脈交会穴(八総穴)の一つで、陽蹻脈と足の太陽膀胱経の交会穴となっている。 後谿穴も八脈交会穴の一つで、督脈と手の太陽 小腸経の交会穴である。申脈は陽蹻脈に通じ、 後駱は督脈に通じており、二脈は目の内蔽・頚 項と耳肩等の所でつながっている。このため、 臨床上、常にこの二穴はセットで目の内眦・頚 項と耳・肩などの疾病の治療に用いられている。 このような配穴法は八脈交会穴配穴法と呼ばれ、 霊亀八法では夫妻穴といわれている。

BL60.崑崙とBL67.至陰
 BL60.崑崙の主治症は坐骨神経痛、踊の痛み、下 肢麻庫、腰背部、項部4頭頂部等のこわばりと 痛みである。そのほか、難産、胎盤残留、癩痴 等の病症の治療にも用いられている。
 BL67.至陰の主治症は胎位異常、 難産、胎盤残留、頭頂痛、鼻詰まり、鼻出血、 目の充血腫痛などである。




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